沖縄県東海岸中部エリアには、車で行ける4つの離島があります。
その中のひとつ「浜比嘉島(はまひがじま)」に、ちょっとユニークな塩作り体験をしている塩工房「高江洲製塩所(たかえすせいえんじょ)」があります。

浜比嘉島は、沖縄の神話に出てくる神様「シネリキヨ」と「アマミキヨ」が降り立ち住んでいたといういい伝えがあります。
比嘉地区は、琉球の島を作ったとされる神様「アマミキヨ」のお墓「アマミチュー」や、2人の居住地であったとされる「シルミチュー」が祀られる、人気の観光スポット。そんな神秘的な伝説の残る浜比嘉島「シルミチュー」の麓で、おいしい塩が作られています。

高江洲製塩所の塩づくり職人・高江洲優(たかえす・まさる)さん。
彼の塩造りは、竹枝を使って立体的に組み立てらたユニークな構造を使った流下式塩田(りゅうかしきえんでん)という方法が採用されています。まずは製塩所の前に広がる海から満潮のタイミングで海水を汲み上げます。そこから、海水をこの構造へと流れさせ太陽の熱と風の力で海水の塩分濃度をあげてきます。

濃度を高くすることで、ボイラーの燃料費節約や炊き上げ量を大幅に増加できるのが流下式塩田のポイントです。作業が落ち着いているときは、訪れる観光客に工場見学や流下式塩田の説明を高江洲さん自らしてくれることも。

高江洲さんのお話しを聞きながら、濃度計を使って海水の濃度を調べてみたり、製塩途中の味見をしながら、浜比嘉島の塩を目と舌で存分に味わいます。

炊き上げた塩から滴り落ちてできるのが「にがり」。これが容器の底で時間をかけてゆっくりと結晶となったのがミネラルたっぷりの「にがり塩」。年に数回(要確認)、製塩所のみで限定販売される貴重なもの。にがり塩を心待ちにする熱狂的ファンも少なくありません。

『しょっぱいでしょ?塩だけにしおっからいっていうからね』と、浜比嘉島の塩工房名物・「高江洲語録(オヤジギャグ)」が始まりました。

高江洲製塩所では、事前予約をすれば塩づくり体験が出来ます。身近な調味料である「塩」がどのように出来上がるのか間近で体験します。
まずは、塩分濃度を27%まで濃縮した海水150CCを石鍋に入れて、火にかけます。

海水が沸騰するまでのあいだ、出来上がった塩を入れるための壺を選びます。実はこちらも高江洲さん自ら作陶したもの。
ズラリと並んだ可愛らしい三つ足の壺から、お好きなものを一つ選びます。悩んでいる合間にも『ツボにはまった壺を選んでね〜!』と高江洲語録は徐々にヒートアップ。「来た来た、また来たよ〜」女子たちも高江洲語録がツボにハマりまくりです!

沸騰したら木べらを使って優しく素早くかき回します。水気が飛ぶまでのしばらくの間、黙々とこの作業を続けるあいだも『周りのカルシウム分も丁寧に落として混ぜてね、ほら、「手塩にかけて」っていうでしょ。』『この商売してると、なんで塩作ってるのって聞かれるんですけど「シオ売繁盛」っていうじゃない? アハハハ!』『優しくかき混ぜてね、とくに女性は「シオらしくね(笑)」』と、高江洲語録は止まりません。そんなセリフに「シオらしくとか無理だな〜」「だからね〜!」と強気に答える女子2人。『塩づくりは性格が味に出るからねー』と爽やかに返す高江洲さん。

朗らかな笑い声が続き、気がつけばいい塩梅に炊きあがって来ました。味見をして自分が「おいしい」と感じた時が完成の合図。出来上がった塩をそれぞれの壺に移したらフタをして、紅型模様のカラフルな生地を被せて紐で結います。『持ち運びに気をつけてね、落としたらシォック(SHOCK)受けるからね〜』と最後まで手を抜かない高江洲さん。

最後は、高江洲さんお手製のシーサーの台に自分たちが作った塩を入れた壺を置いて記念撮影。
今回参加した2人に感想を尋ねると「もはやこれはエンターテイメントですね。浜比嘉島の海水で作るだけでも素敵なのに、工場見学や、塩づくり体験、何と言っても高江洲さんのトークが面白すぎ!」と笑いながら答えてくれました。

体験を終えたら、工房のすぐそばにある浜でひと時を過ごすのも旅のいい思い出。素足で大地を踏みしめ、神秘的なこの島の海水に足をつければ、束の間のリフレッシュ気分をきっと味わえるはず。

沖縄の女子旅を存分に楽しませてくれる「浜比嘉島の塩作り体験」

浜比嘉島の塩工房高江洲製塩所

所在地/沖縄県うるま市勝連比嘉1597

電話/098-977-8667

営業時間/10:00~17:00

定休日/日曜・祝日・雨天

※塩づくり体験は要予約

HP/http://hamahigasalt.com/

掲載日 2018年12月3日